平成24年度事業報告

自平成24年4月 1日
至平成25年3月31日

　本協会は産業廃棄物の適正な処理を推進し、もって県民の生活環境の保全と公衆衛生の向上に寄与するため、会員各位のご尽力、ご協力を得て、事業を推進してきたところであります。また、このたびの東日本大震災によって、本県ではこれまで経験のない甚大な被災が生じており、それに伴う災害廃棄物は、量、質とともに処理を困難なものにしております。さらに、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故に伴い放出された放射性物質に汚染された廃棄物の処理には、多くの困難な課題が生じております。
　また、警戒区域等の見直しがなされ、対策区域内におきましでも事業活動が開始されつつあり、これらの事業活動から生じた廃棄物は、事業者の責任で処理することとされますが、放射能の問題もあり、慎重な対応が求められております。
　しかし、その処理対策は、復旧活動を進めるにあたり、極めて重要であります。
　これらの難しい課題に対応しながら、処理体制を整備し、会員が一致してこれに取り組んできているところです。
　ここに会員皆様のご協力と関係各位のご支援に対し、厚くお礼申し上げます。
　平成 24 年度に実施した事業は次のとおりです。

Ⅰ．公益事業

１　不法投棄防止及び環境保全事業

(1) 福島県各地方振興局、関係市町村及び関係団体が協力して行う、不法投棄防止対策事業等に参加し、不法投棄された廃棄物（家電品、タイヤ、金属くずなど）を撤去、処理し、各地域の環境保全に努めた。
(2) 平成24年度県民参加による猪苗代湖のボランティア清掃事業等
県民参加による猪苗代湖のボランティア清掃事業を猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全対策推進協議会とともに実施した。

・実施日時　平成24年6月23日(土) 10時20分～11時30分
・参加団体等　県民ボランティア約200名
・協会関係　42名(郡山方部地域協議会 18名／会津方部地域協議会 17名／青年部会 7名)
・実施場所　猪苗代湖舟津浜周辺
(3) 県民ボランティアによるヨシ刈り及びゴミ撤去事業
県民ボランティアによるヨシ刈り及びゴミ撤去作業を関係団体の参加により環境省、福島県、猪苗代町と共催で実施した。

・実施日時　平成24年10月31日(水) 9時30分～11時00分
・参加団体・人員　48団体　ボランティア約223名
・協会関係　46名(郡山方部地域協議会 16名／会津方部地域協議会 28名)
・実施場所　猪苗代湖北岸～小黒川河口東側

２　情報提供、普及・指導事業

(1) 産業廃棄物に関する処理区分、処分方法、処理業者、処理施設、許可申請に関する講習会等の照会や相談・質疑に対応するため、廃棄物に関する内容に応じ、下記資料の頒布・配布を行った。また、電話等による相談に対して説明を行うなど、適正な処理処分の情報提供と普及・助言を行った。

協会発行・配布等資料
- 産業廃棄物処理施設に関する基準
- (社)福島県産業廃案物協会会員名簿
- マニフェストシステムがよくわかる本
- 産廃棄物処理法重要事項クイックガイド(福島県版)
(2) 協会のホームページによる情報の提供
本協会ホームページに逐次情報を掲載し、提供に努めた。

３　処理業の許可申請に関する講習会

　公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター及び協力団体である公益社団法人全国産業廃棄物連合会と連携し、講習会を次のとおり実施した。

種　　別	実施年月	場　所	受講者数(名)
産業廃棄物収集運搬業許可講習会（新規）	平成25年1月30日～1月31日	コラッセふくしま	131
産業廃棄物処分業許可講習会（新規）	平成24年8月28日～8月31日		84
産業廃棄物処分業許可講習会（新規）	(うち、収集運搬課程同時受講者)		(53)
産業廃棄物収集運搬業許可講習会（更新）	平成24年10月25日		151
産業廃棄物収集運搬業許可講習会（更新）	平成25年1月17日		89
特別管理産業廃棄物管理責任者講習会	平成24年10月24日		151
特別管理産業廃棄物管理責任者講習会	平成25年1月16日		120
		合計	726

４　産業廃棄物管理票（マニフェスト）の普及・啓発事業

　「全国産業廃棄物連合会」及び「建設六団体副産物対策協議会」で発行する産業廃棄物管理票（マニフェスト）の頒布・普及と記載要領、交付及び回付、保存などについて助言を行うとともに、併せて、委託契約締結の徹底等について啓発した。

産業廃棄物管理票頒布数の経緯
年度	頒布数（セット）	前年比
15	947,500	1.05
16	960,600	1.01
17	941,900	0.98
18	976,600	1.04
19	974,500	1.00
20	844,700	0.87
21	817,200	0.97
22	775,100	0.95
23	980,700	1.27
24	942,200	0.96

５　研修会・セミナーの開催

　産業廃棄物の適正処理と不適正処理を防止するための実務研修・セミナーを次のとおり実施した。

(1) 各方部地域協議会における研修会等
方部地域協議会活動として関係機関と連携するなど、研修会等を開催した。

方部	実施年月日	内容	備考
白河	平成25年2月26日	適正処理研修会(福島県県南地方振興局と共催)

　なお、研修会会場において、産業廃棄物地域コミュニケーション形成事業(平成22年度事業)において作成した最終処分場模型を展示するとともに最終処分場に関するパンフレットを配布し、普及啓発に努めた。

６　関係機関、団体との交流・協力

　本協会の事業活動や業界の実情等について、相互の理解を深めるため、行政機関や関係団体で組織する協議会等に参加協力した。

(1)“ うつくしま、ふくしま。”県民運動推進会議

(2)地球にやさしい“ふくしま”県民会議
　福島議定書締結事業(福島県知事と会員との締結)

(3)福島県クリーンふくしま運動推進協議会

(4)暴力団根絶福島県民会議(現:福島県暴力追放運動推進センター・評議員として参加。)

(5)(財)福島県国際交流協会(交流協会が主催する催事に協賛。)

(6)福島大学との連携
　学生や一般県民に学習の機会を提供することにより環境教育に寄与することとして、福島大学総合科目「現代社会と環境」の運営等に関する費用を寄附し、年間12回の講義を開催した。

７　東日本大震災に伴う災害廃棄物処理等の協力・支援

　東日本大震災に伴う災害廃棄物の処理対策等について、平成平成19年3月に大規模災害時に産業廃棄物処理業界として、支援、協力出来る体制を構築することとして福島県との間で締結した「大規模災害時における災害廃棄物の処理等の協力に関する協定」により福島県から協力要請のあった市、町に対して支援することとし、14の市及び町から委託を受け、処理事業を平成23年度に引き続き実施した。

８　放射性物質濃度測定・管理事業

　原発事故に伴い放出された放射性物質に汚染された産業廃棄物の処理は、これまでの処理基準に加え、放射性物質の濃度により厳しい基準に適合することが必要とされ、また、再生利用においてもその基準が明確にされるなど、的確な対応が必要とされている。こうした事態に対応することとして各方部 (いわき方部を除く。合計6事業所) 1カ所に放射能測定機器を配置し、取り扱う産業廃棄物の放射能濃度を自ら測定・管理するシステムを構築し、取り扱う産業廃棄物等の放射能濃度測定を実施した。

Ⅱ. 一般事業

１　協会の組織強化

　協会の組織強化は、会員の処理業者としての知識、技術など資質の向上のほか、協会の運営、事業内容の充実を図るため、優良な処理業者の加入に努めた。

(1) 年度別会員数（平成25年3月31日現在）

年度	正会員	賛助会員	合計
19	267	13	280
20	259	12	271
21	257	13	270
22	254	12	266
23	268	13	281
24	274	15	289

(2) 平成24年度における会員の移動等

新規加入会員	正会員１０社　賛助会員２社
退会会員	正会員３社

２　地域協議会の活動推進

　本協会の方部組織として、研修会、情報交換会、環境保全活動等を行い、地域内会員の親睦、連帯、協調を図るとともに、これらの活動を通じて地元市町村、関係団体等と連携を深め、地域の環境保全に寄与した。

(1) 不法投棄廃棄物撤去事業への参加(各方部)
(2) クリーンふくしま運動推進事業の一斉清掃活動への参加(各方部)
(3) 研修会・講演会の開催(各方部)
　現地視察合同研修事業(東京都「スカイツリー周辺視察」 11名参加
(4) 不法投棄防止パトロール(各方部)

３　青年部会の活動推進

　青年部会員の融和、親睦を図り、研修等を通じて自己啓発に努めるとともに企業の幹部として経営の合理化、近代化を推進することとして全国産業廃棄物連合会青年部協議会等と連携しながら、処理業の次代を担う活動を実施した。

(1) 第17回定時総会の開催

開催日時	平成24年6月22日(金)　15時～16時
開催場所	「郡山ビューホテルアネックス」郡山市
出席者等	会員総数74名中　　本人出席38名　　委任状提出33名
議決事項	・平成23年度事業概要及び決算報告・平成23年度事業計画（案）及び事業予算（案）

(2) 講演会の開催

開催日時	平成24年6月22日(金)　16時～17時30分
開催場所	「郡山ビューホテルアネックス」郡山市
講　　師	カーボンフリーコンサルティング(株) 代表取締役 CEO 中西武志氏
演　　題	「産業廃棄物業界のCSR(企業の社会的責任)について」

(3) 東日本大震災復興支援活動の実施

1)東日本大震災復興支援活動「東北復興支援！！冬のスキー体験活動」

　平成25年1月26日(土)
　福島県猪苗代町「ホテルリステル猪苗代」
　参加者　33名 (会員事業所職員等)

(4) 他県青年部会との連携事業の実施
他県青年部会との連携により以下の事業を実施した。

1)北海道・東北ブロック協議会との連携事業

・東日本大震災支援活動「東北復興支援少年野球大会」　平成24年11月11日(日)
　宮城県仙台市「ベルサンピア　みやぎ泉」
　岩手県・宮城県・福島県関係者(児童・保護者)計8チーム参加者213名

2)千葉県青年部会との連携事業(共催)

復興支援事業「環境教育スポーツ交流会」参加及びリサイクル施設見学

(5) 全国産業廃棄物連合会青年部協議会及び北海道・東北ブロック青年部協議会との連携

1)全国産業廃棄物連合会青年部協議会及び北海道・東北ブロック青年部協議会と連携し、意見交換等に行った。

名　称	開催日	開催場所	参加状況
北海道・東北ブロック青年部協議会総会	平成24年7月6日	福島市	29名
全国産業廃棄物連合会青年部協議会通常総会	平成24年7月13日	東京都	２名

2)CSRツープロジェクト参加事業
　経営・経営(法令遵守・情報開示等)、環境保全活動、社会貢献活動の三つの柱をバランスよく推進し、産業廃棄物処理業界あげてCSRの普及啓発に取り組むこととして公益社団法人全国産業廃棄物連合会青年部協議会が企画実施している事業に参加し、活動を行っている。

４　情報伝達の推進

　会員に対して産業廃棄物の適正処理に関する情報・資料を伝達・配布

① 「月刊いんだすと」の配布
② 「産廃手帳」の配布
③ 「廃棄物処理法重要事項クイックガイド」の頒布
④ 廃棄物処理法に係るマニュアル等の配布
⑤ その他法令等の改正等の情報の伝達・資料の提供

５　労働安全衛生事業の推進

　「東日本大震災に係る復旧工事安全衛生確保支援事業J 福島県事業推進会議に会長が委員として参加し、東日本大震災に係る復旧事業の安全衛生確保のための事業を推進した。
　また、安全衛生活動に寄与することとして公益社団法人全国産業廃棄物連合会が開催する安全衛生促進研修会に参加した。

・安全衛生巡回指導の実施
・復旧工事に関する安全衛生相談
・ポスター、垂れ幕等による広報・啓発等
・平成 24 年度安全衛生促進研修会(東京都)の参加
　(平成24年8月24日(金):佐藤相双方部地域協議会長出席

６　会議等の開催・出席

(1) 第24回通常総会・講演会

① 総会
開催期日	平成24年5月25日(金) 午後2時30分～午後4時10分
開催場所	会津若松市「ホテル東鳳」
出席状況	正会員 271名出席(うち委任状提出 168名)
審議事項	平成23年度事業概況報告及び収支決算報告の承認平成24年度事業計画(案)及び収支予算(案)の承認
優良従事者表彰	渡部久雄様(曹鉄メタル株式会社)他7名を表彰

② 講演会
開催期日	平成24年5月25日(金)16時30分～17時30分
演題	「八重の桜・新島八重とその生涯」
講師	会津歴史考房主宰　野口信一氏

(2) 理事会

第114回から第117回まで、4回理事会を開催した。

回	開催期日開催場所	審議事項
第114回理事会	平成24年4月20日福島市「ホテル辰巳屋」	「23 年度事業概況報告及び収支決算報告の承認」「24 年度事業計画及び収支予算案の承認」等　11議案
第115回理事会	平成24年8月2日いわき市「(株)クレハ環境会議室」	「福島県への要望について」2議案
第116回理事会	平成24年11月20日福島市「ホテル辰巳屋」	「廃棄物放射能濃度検査・管理システム事業について」等3議案
第117回理事会	平成25年3月18日福島市「ホテル辰巳屋」	「平成25年度公益社団法人全国産業廃棄物連合会表彰者の推薦について」等4議案

(3) 会長・副会長及び方部地域協議会長会議等の開催

①第1回会長・副会長等会議

開催年月日	平成25年1月28日(月)
開催場所	福島市「ホテル辰巳屋」
出席者	会長・副会長他 (7名)
審議事項等	一般社団法人への移行手続きについて役員等について

② 部会合同幹事会

開催年月日	平成24年10月19日(金)
開催場所	福島市「福島ビューホテル」
出席者	会長・部会幹事他・環境省・内閣府
審議事項等	対策地域内廃棄物の処理等について(環境省・内閣府) 対策地域内廃棄物の処理に係る課題等について他

(4) 行政懇談会及び災害廃棄物に係る意見交換会の開催(県幹部との意見交換会)

① 平成24年度行政懇談会

開催日時	平成25年2月8日（金）13時30分～15時30分
開催場所	福島市「中町会館」
出席者	(福島県)	生活環境部次長(環境保全担当)　一般産業廃棄物課長産業廃棄物課長、同主幹兼副課長、主査(産業廃棄物担当)(7名)
出席者	(本協会)	会長及び副会長、白河及び相双方部地域協議会会長、収集運搬部会長、建設系廃棄物部会長、専務理事兼事務局長、担当(8名)

◎意見交換した主な事項

・災害廃棄物の処理状況について
・放射性物質に汚染された産業廃棄物の処理について
・最終処分(再生を含む。)場所の確保について
・安定型最終処分場の活用について等

② 災害廃棄物に係る意見交換会

平成24年10月29日 14時30分～ 15時
福島県生活環境部会議室
　福島県一般廃棄物課長及び産業廃棄物課長との意見交換
　・災害廃棄物の処理について
　・(社)福島県産業廃棄物協会の取組状況

③ 福島県への要望活動について

平成24年10月29日（月）13時30分～ 14時
福島県生活環境部長室
福島県生活環境部長
会長・副会長他 (7名)

・要望事項
　「災害廃棄物等について、広域的に処理する焼却施設及び最終処分する場所を国又は県において確保する。」など、5項目

(5) 公益社団法人全国産業廃棄物連合会関係

① 第2回通常総会

開催日時	平成24年6月15日(金)13時30分～14時40分
開催場所	東京都「明治記念館」
出席者	会長、副会長等 15名出席

② 表彰式(通常総会終了後)

連合会表彰受賞者
功労者表彰	佐藤俊彦氏(会長) 北海道・東北地域協議会推薦
地方優良事業所表彰	常磐開発株式会社（いわき市）
優良従事者表彰	新田章氏　東邦興産株式会社（郡山市）小林正喜氏　株式会社クレハ環境（いわき市）

③ 第11回産業廃棄物と環境を考える全国大会

平成24年10月26日(金) 東京都
「災害廃棄物処理の現状と課題」(基調講演:環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)
各方部地域協議会から会員が参加 16名
※平成24年度循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰
佐藤俊彦氏(会長)　(公益社団法人全国産業廃棄物連合会推薦)

④ 全国正会員会長会議

開催日	平成25年2月22日(金)
開催場所	高松市
出席者	橋本源一郎副会長出席
議題等	平成25年度事業計画重点事項について

⑤ 事務局責任者会議

ア　平成24年度第１回
開催日	平成24年8月3日(金)
開催場所	東京都
出席者	専務理事兼事務局長
議題等	関連法案の検討状況について　ほか

イ　同第２回
開催日	平成25年2月1日(金)
開催場所	東京都
出席者	専務理事兼事務局長
議題等	・平成 25 年度事業計画骨子について・マニブェスト販売管理システムの見直し　ほか

⑥ 平成24年度第四回正会員事業研修(「実務担当者研修会」)

開催日	平成24年10月5日(金)
開催場所	東京都
出席者	事務局員1名
議題等	・景況動向調査結果からみた産業廃棄物処理業界の現状等

(6) 北海道・東北地域協議会関係

① 第51回会議
開催日	平成24年6月5日(火)
開催場所	青森市
出席者	会長、専務理事兼事務局長
議題等	・意見交換等・平成23年度事業及び決算報告並びに平成 24 年度事業計画(案)予算(案)の承認について

② 第52回会議
開催日	平成24年10月10日(水)
開催場所	山形市
出席者	会長、専務理事兼事務局長
議題	・意見交換等・産業廃棄物の処理に係る契約に関する評価項目について・各協会からの提案事項ほか

③ 第7回会長会議
開催日	平成24年4月25日(水)
開催場所	福島市
出席者	会長

④ 第21回北海道・東北地域協議会事務局担当者会議
開催日	平成24年8月23日(木)
開催場所	盛岡市
出席者	事務局員1名
協議事項	・20年度会計基準への移行状況等

⑤ 第9回事務局長会議
開催日	平成24年9月5日(水)
開催場所	札幌市
出席者	専務理事兼事務局長
協議事項	協議事項新法人への移行事務等に係る意見交換　ほか